- ①歯と歯ぐきの境目を磨く
歯周病菌の温床となる歯垢や歯石は、歯と歯ぐきの境目にたまりやすいです。いわゆる歯周ポケットは、ただ漫然とブラッシングしていたのでは効率よく磨けません。歯ブラシのヘッドを45度に傾けて、歯周ポケットの中に毛先を潜り込ませるようなイメージでブラッシングしましょう。 - ②ブラッシング圧に要注意
歯の汚れをしっかり落とそうとすると、ついついブラッシング圧が強くなってしまいます。歯ブラシの毛先を歯面に押し付けてゴシゴシ磨けば、その分だけ汚れがよく落ちそうなものですが、実際はそうでもないのです。歯面の汚れを効率よく落とす上で最も適したブラッシング圧は、150~200gと言われています。歯面に当たった毛先が押しつぶされないくらいの強さです。そのくらい軽いタッチでブラッシングすると、歯や歯ぐきを傷めるおそれも少なくなります。 - ③歯ブラシを小刻みに動かす
歯ブラシは5~10mmくらいの幅で、小刻みに動かすようにしましょう。目安としては、1~2本の歯を往復するようなイメージです。3~4本の歯を大きく往復するような形でブラッシングする方もいらっしゃいますが、それだとかえって効率が悪くなります。磨き残しも多くなることでしょう。 - ①喫煙
タバコの煙には、歯ぐきの血流を悪くするニコチンや一酸化炭素が含まれています。歯ぐきの血流が悪くなると、細菌への抵抗力が下がって感染リスクが上昇するのです。それだけに、歯周病を予防したい方は、タバコを吸う習慣を今日からでも改めた方が良いといえます。 - ②ストレスや疲れがたまりやすい
ストレスや疲労がたまりやすい生活を送っていると、全身の免疫力が低下します。それはお口の中も例外ではありません。 - ③口呼吸をしている
口呼吸は、口内乾燥を招きます。お口の中が乾燥すると、唾液による殺菌作用や自浄作用が働きにくくなり、歯周病リスクも上昇します。よく噛まずに飲み込む習慣がある場合も唾液があまり分泌されずに細菌が繁殖しやすくなります。 - ④間食が多い
間食が多い人は、口内環境が不衛生になりがちです。何らかの食べ物や飲み物を口にした時点で、口内細菌の活動が活発化するため、つまみ食い程度の間食でも歯周病リスクは上昇します。 -
1988年福島県立磐城高等学校 卒業
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1996年東北大学歯学部 卒業
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2003年いがり歯科医院開業
- 日本歯周病学会認定 歯周病専門医
- 日本口腔インプラント学会認定 口腔インプラント専門医
- 日本臨床歯周病学会 認定医
- 日本臨床歯周病学会 歯周インプラント認定医
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本デジタル矯正歯科学会
- 日本アライナー矯正歯科研究会
- 臨床歯科を語る会
- 日本禁煙学会 認定指導医
院長ブログ
セルフケアとプロケアの両立?歯周病の予防法を解説
自宅でのセルフケアのポイントとは
歯周病の予防法の基本となるのはセルフケアです。とくに毎日行う歯磨きが最重といえますので、正しい方法を身に付けるようにしてください。歯周病予防に効果的な歯磨きのポイントは以下の3つです。
歯科医院でのプロフェッショナルケアとは
歯周病の予防は、歯科医院でのプロフェッショナルケアまで受けてようやく完成します。
スケーリング
スケーリングは、歯垢が石灰化を受けて硬くなった歯石を取り除く処置です。スケーラーと呼ばれる専用の器具を使って取り除きます。スケーラーには、手で動かす手用スケーラーと電動の超音波スケーラーの2つがあり、患者様のお口の状態によって適宜使い分けていきます。歯石はセルフケアでは落とすことができず、歯周病菌の温床ともなる汚れなので、3か月に1回はスケーリングで一掃したいところです。
ルートプレーニング
スケーリングは、歯の頭の部分である歯冠(しかん)の歯石を取る処置です。メインテナンスや定期検診でも行われるため、皆さんも一度は経験したことがあるかと思います。一方、ルートプレーニングは、歯の根っこの部分である歯根(しこん)の歯石を取る処置であることから、基本的には歯周病治療で行われます。
歯周ポケットの奥の方までスケーラーを挿入するため、施術には出血を伴います。事前に局所麻酔を施すことで、痛みは取り除けます。歯周病治療が完了した後も深い歯周ポケットが残存しているケースでは、予防目的でルートプレーニングを行うこともあります。
PMTC(クリーニング)
PMTC(ピーエムティーシー)は、歯のクリーニングです。セルフケアでは落とすことのできないバイオフィルムやステインなどを取り除けます。歯が持つ本来の白さを取り戻せることから、審美面においても良い影響がもたらされます。もちろん、細菌の温床となる汚れもなくなるので、歯周病予防にも寄与します。
歯周病を招く生活習慣とは
歯周病は、毎日何気なく行っている習慣によってもリスクが大きく上昇します。とりわけ以下の4つの習慣には十分な注意が必要です。
まとめ
今回は、歯周病の予防法について、セルフケアとプロフェッショナルケアの2つに分けて解説しました。歯周病を積極的に予防したい方は、最後にご紹介した歯周病になりやすい生活習慣も参考にしてみてください。適切なセルフケアとプロケアを両立し、生活習慣を改善することで、歯周病は効率よく予防できます。
当院の詳しい歯周病治療に関してはこちらをご覧ください。
執筆者情報
院長・理事長・歯科医師
猪狩 寛晶Igari Hiroaki
お口の健康は全身の健康と密接に関わっています。歯科は他の診療科と違い、自然治癒はほぼありません。歯科治療のほとんどが置換医療になるため、予防が何より大切です。当院では、患者さん一人ひとりがお口の健康を取り戻すために必要な問題点を共有し、治療や予防に取り組んでおります。
「歯を残す歯周治療」、「歯を生かす矯正治療」、「失った歯を代替するインプラント」を3本の柱として、過不足のない包括的な歯科治療を行ってまいります。
治療や予防を通して、患者さんのQOL(生活の質)向上のお役に立てると幸いです。