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    知覚過敏について

    歯がしみる症状は、むし歯の初期症状に似ています。むし歯以外で起こるこの症状は、「象牙質知覚過敏症」と言われ、おもに歯の表面を硬くおおっているエナメル質が失われたり、歯肉の過度な退縮により、象牙質が外部に露出することが原因で起こります。

    象牙質の表面には象牙細管と呼ばれる無数のパイプ状の穴が開いています。象牙質がむき出しになると、この通り道から外部の刺激が神経に伝わり「キーン」という痛みになると考えられています。

    しかし、象牙質がむき出しになっていても、外部からの刺激を遮断する作用が機能しているとしみることはありません。これはスメア層と呼ばれる唾液の成分などが結晶化してできた層が象牙細管の入り口を塞いだり、歯の成分で象牙細管が自然と細くなり、外部からの刺激が伝わりにくくなるためです。

    <知覚過敏の主な原因>
    ・歯周病になっている
    ・歯ぎしり、くいしばりがある
    ・歯みがきの際に強く磨きすぎている
    ・歯みがきの不足
    ・水分補給に糖分を含んだ飲み物を飲んでいる
    ・やにとりを謳った市販の歯みがき粉を使っている
    ・健康のためにと黒酢などの酸っぱいものを常用している
    ・唾液量の不足によりお口の中ぱさついている
    ・解剖学的な問題により歯肉が下がっている

    このように知覚過敏の原因は生活習慣のなかに隠れている場合も少なくありません。
    あまりにも知覚過敏が強い場合には神経を取り除く治療が必要な場合もありますが、
    軽い知覚過敏なら習慣や癖を改善することで自然に治ることが多いです。

    ただし、解剖学的な問題により歯肉が退縮している場合は改善が難しいため、下がった歯肉を元の位置に戻す治療(根面被覆術)を受けられることをお勧めします。当院ではマイクロスコープを使用したより確実な根面被覆術を行っております。

    知覚過敏や見た目が改善させるだけでなく、根面う蝕(歯の根の部分のむし歯)の防止にもなります。また根面被覆により歯肉が下がりにくくなります。気になる方はお気軽にご相談ください。

    執筆者情報

    院長・理事長・歯科医師

    Igari Hiroaki

    お口の健康は全身の健康と密接に関わっています。歯科は他の診療科と違い、自然治癒はほぼありません。歯科治療のほとんどが置換医療になるため、予防が何より大切です。当院では、患者さん一人ひとりがお口の健康を取り戻すために必要な問題点を共有し、治療や予防に取り組んでおります。

    「歯を残す歯周治療」、「歯を生かす矯正治療」、「失った歯を代替するインプラント」を3本の柱として、過不足のない包括的な歯科治療を行ってまいります。

    治療や予防を通して、患者さんのQOL(生活の質)向上のお役に立てると幸いです。

    経歴

    • 1988年
      福島県立磐城高等学校 卒業
    • 1996年
      東北大学歯学部 卒業
    • 2003年
      いがり歯科医院開業

    所属学会・資格・役職等

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