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1988年福島県立磐城高等学校 卒業
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1996年東北大学歯学部 卒業
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2003年いがり歯科医院開業
- 日本歯周病学会認定 歯周病専門医
- 日本口腔インプラント学会認定 口腔インプラント専門医
- 日本臨床歯周病学会 認定医
- 日本臨床歯周病学会 歯周インプラント認定医
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本デジタル矯正歯科学会
- 日本アライナー矯正歯科研究会
- 臨床歯科を語る会
- 日本禁煙学会 認定指導医
院長ブログ
知っておきたいインプラント治療
・失った歯を代替するインプラント
歯を失った際、健康保険内の治療では通常ブリッジか入れ歯による治療が行われます。患者さんにとっては「自分にとってその他のよりよい方法はないのか?」と迷われるかと思います。ブリッジの場合、歯を大きく削る必要があり、健康な歯を土台にする場合には侵襲が大きい治療です。
また入れ歯の場合、土台となる歯にクラスプと呼ばれる金具をかけて入れ歯を固定させます。見た目や違和感の問題があることや、入れ歯は動くことを前提とした方法のため、特に咬む力が強い方には好まれる治療とは言えません。
口腔インプラント治療で使われるインプラント体は、人工関節などでも使用されている生体親和性のあるチタンから作られています。このインプラント体をアバットメント(インプラント体と人工の歯を連結させるパーツ)と人工の歯(上部構造)をつなぎ合わせて咬めるようにする治療法です。(インプラント治療とは)
インプラント治療のいちばんの特徴は骨としっかり結合して自立していることです。インプラント治療は他の歯に負担をかけず、自分の歯を傷めず見た目もよいなど、多くのメリットがあり、治療を受けられた患者さんには大変喜ばれている治療法の一つになっています。ただし欠点もあります。手術が必要、治療期間が長い、術前の予備治療に時間がかかることもあります。また自費診療である点も挙げられます。
・1回法と2回法
インプラント治療には一次手術(インプラントの埋入治療)と2次手術(インプラント体とアバットメントをつなぐ手術)を行う「2回法」と1回の手術で済ませる「1回法」があります。
1回法はインプラント埋入時にアバットメントをつなげる方法のため、手術が一度ですみ、治療期間を短縮することができます。1回法は一般的に治療する条件がよいケースで適用されます。それに対して2回法は、インプラント埋入後にあごの骨とインプラント体が結合するのを待ち、その後2度目の手術をしてインプラント体上部とアバットメントをつなぐ方法です。
インプラント治療ではインプラント埋入時にあごの骨を同時に作ったり、前歯の審美的な治療で軟組織(歯肉)の治療が必要になる場合などは、2回法が適用されます。あごの状態や治療の種類によって選択されます。
・大切な術前治療(予備治療)
インプラントを埋入する準備のために行う術前治療(予備治療)は、すべてのかたに必要なわけではありません。炎症がなく骨量も十分で、条件が整っている場合には、術前治療が必要ない患者さんもいらっしゃいます。しかし、歯を失った原因によってはインプラント手術前にしっかりと術前治療を行う必要がある場合が多いといえます。
例えば歯周病で歯を失った方の場合、残っている歯にも歯周炎が進行している状態でインプラント治療を行うと、インプラントの周りの骨にも歯周病菌の感染しやすくなります。インプラントがしっかりとあごの骨に結合することができず、治療が成功するのは困難になります。また術後にインプラント周囲炎(インプラント周囲の骨が歯周病のように減ってしまう状態)になり、早期にインプラント体が脱落する結果になりかねません。
当院では歯周病専門医と歯周病に精通した歯科衛生士が術前に歯周病の治療を徹底的に行い、お口の中の環境が整った上でインプラント治療を受けていただいております。
また術前に骨量が不足している場合には、GBR(骨造成)を行ったり、周囲の歯列にゆがみが生じている場合には部分的な矯正治療が必要になります。当院ではただ歯の欠損部のみを見てインプラント治療を行うのではなく、お口全体を考慮した包括的治療の一環としてインプラント治療を行っております。
・さまざまなバリエーション
インプラント治療といっても1本の欠損部への治療から多数にわたり欠損した部位のインプラント治療、義歯を併用したタイプまでさまざまなバリエーションがあります。当院では患者さんのご希望やお口の中の状態、生活習慣などさまざまな角度から治療方針を検討し、患者さんに寄り添ったプランをご案内しています。
インプラント治療に関するご質問がございましたらスタッフまでお気軽にお申し付けください。
執筆者情報
院長・理事長・歯科医師
猪狩 寛晶Igari Hiroaki
お口の健康は全身の健康と密接に関わっています。歯科は他の診療科と違い、自然治癒はほぼありません。歯科治療のほとんどが置換医療になるため、予防が何より大切です。当院では、患者さん一人ひとりがお口の健康を取り戻すために必要な問題点を共有し、治療や予防に取り組んでおります。
「歯を残す歯周治療」、「歯を生かす矯正治療」、「失った歯を代替するインプラント」を3本の柱として、過不足のない包括的な歯科治療を行ってまいります。
治療や予防を通して、患者さんのQOL(生活の質)向上のお役に立てると幸いです。