- 抜歯の必要性が低下する
1期治療でしっかりとした土台を作っておけば、2期治療で抜歯が不要となることが多いです。歯科矯正の便宜抜歯(べんぎばっし)では、虫歯や歯周病になっていない、至って健康な歯を抜き取らなければならない点に強い抵抗を感じる方が多いです。そんな抜歯が不要となるのは、子供の歯科矯正を受ける大きなメリットといえるでしょう。とはいえ、小児矯正を受けても抜歯が必要となることも多々ありますので、その点は要注意です。
- 顔のバランスが整う
歯並び・かみ合わせが良くなると、顔のバランスも整います。左右対称で健やかな顔立ちが手に入ります。 - 口元のコンプレックスを解消できる
思春期を迎える前の小学生の時期に、歯並びの大きな問題を解消しておけば、口元のコンプレックスに悩まされることも少なくなります。 - 治療にかかる期間が短く、費用が安くなる?
子供の歯科矯正を1期治療と2期治療の2段階で考えた場合、1期治療を受けておいた方が全体の期間短縮、費用の抑制へとつながります。 - 将来的な外科手術の必要性が減る
骨格的な異常を残したまま成人すると、外科手術でなければ改善できない歯並び・かみ合わせの症状に悩まされることになります。骨格的な異常を根本から改善できる子供の歯科矯正なら、そうしたリスクを大幅に減らすことができます。 - 虫歯リスクが高まる
子供の歯科矯正では、使用する装置によっては虫歯リスクが高まります。その分、ていねいな口腔ケアが必要となります。 - かみ合わせが一時的に悪くなることがある
歯並びを良くしていく過程では、上下のかみ合わせが一時的に悪くなりやすいです。歯科矯正を最後までやり遂げることで、正常なかみ合わせを獲得できます。 - 期待した効果が得られないことがある
子供の歯科矯正で得られる効果は、お子様の協力の有無や発育状況によっても大きく変わります。ケースによっては期待した矯正効果が得られないこともあります。 -
1988年福島県立磐城高等学校 卒業
-
1996年東北大学歯学部 卒業
-
2003年いがり歯科医院開業
- 日本歯周病学会認定 歯周病専門医
- 日本口腔インプラント学会認定 口腔インプラント専門医
- 日本臨床歯周病学会 認定医
- 日本臨床歯周病学会 歯周インプラント認定医
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本デジタル矯正歯科学会
- 日本アライナー矯正歯科研究会
- 臨床歯科を語る会
- 日本禁煙学会 認定指導医
院長ブログ
子供の歯科矯正は小学生から?期間はどのくらい?
歯科矯正は小学生のうちに始めるべき?
小学生から始めるケースが多い
子供の歯科矯正は、小学生くらいから始めるのが一般的です。ここで注意が必要なのは「小学校に上がったら」という厳密な年齢制限が設けられているわけではない点です。歯の発育は個人差が大きく、同じ小学1年生でもお口の中の状態には大きな違いが見られます。ですから、子供の歯科矯正を始めるタイミングとしては「6歳くらい」という大まかな時期だけ覚えておいていただけたらと思います。
なぜ「6歳」?
子供の矯正治療は、1期治療と2期治療の2つに大きく分けられます。このうちの1期治療は、顎の骨の発育を活かした矯正となるため、開始時期を間違えるわけにはいきません。具体的には、最初の永久歯が生えてくる6歳くらいがひとつの目安となります。
それは乳歯と永久歯が混在する混合歯列期の始まりでもあり、顎の発育も活発に進んでいるからです。そういう観点から、子供の歯科矯正は小学生くらいから始めるべきもの、という捉え方が広がっています。ただし、繰り返しにはなりますが、歯や顎の発育状況は子供によって大きく異なるため、正確な判断は歯医者さんに任せることが重要です。
3~4歳から矯正を始めることもある
子供の歯科矯正は、小学校に上がる前の3~4歳から始めるケースも多々あります。とくに上の顎の発育が遅れている場合は、早期の歯科矯正が必要となりやすいため、親御さんは十分にご注意ください。上の顎の発育のピークは下の顎よりも早く訪れることから、歯科矯正のタイミングも早める必要があるのです。
子供の歯科矯正の期間はどれくらい?
子供の歯科矯正にかかる期間は、前段でご紹介した1期治療と2期治療で少し異なります。1期治療は、顎の骨の発育を正常化して、歯をきれいに並べるための土台を作る時期なので、使用する装置はプレートタイプのものが多くなります。また、お子様の発育状況によっても必要となる処置が変わってくることから、歯科矯正にかかる期間は半年から3年程度と幅が広いです。
2期治療は、歯並びの乱れを細かく整える矯正であり、大人が受ける歯列矯正とほぼ同じです。1期治療を受けてしっかりとした土台が形成されていれば、2期治療は1~2年で終了します。ただし、2期治療には必ず「保定処置」を伴うことから、全体としては2~4年程度の期間を要します。1期治療を受けていない場合は、2期治療に2~3年程度の期間がかかることが多く、保定処置も含めると4~6年の通院が必要となります。この点はケースによって大きく異なりますので、気になる方はお気軽に当院までご相談ください。
小児矯正のメリットとデメリット
子供の頃に歯科矯正を受けると、以下に挙げるようなメリットとデメリットを伴います。
メリット
デメリット
まとめ
今回は、子供の歯科矯正を始めるタイミングについて解説しました。子供の歯科矯正の1期治療は、小学校に上がるくらいに始めるのが一般的です。例外的に3~4歳くらいから始めることもありますので、お子様の歯並びや骨格で気になる症状が認められたら、まず歯医者さんに診てもらいましょう。矯正相談を受ける時期に早すぎるということはありません。
当院の詳しい小児矯正治療に関してはこちらへ
執筆者情報
院長・理事長・歯科医師
猪狩 寛晶Igari Hiroaki
お口の健康は全身の健康と密接に関わっています。歯科は他の診療科と違い、自然治癒はほぼありません。歯科治療のほとんどが置換医療になるため、予防が何より大切です。当院では、患者さん一人ひとりがお口の健康を取り戻すために必要な問題点を共有し、治療や予防に取り組んでおります。
「歯を残す歯周治療」、「歯を生かす矯正治療」、「失った歯を代替するインプラント」を3本の柱として、過不足のない包括的な歯科治療を行ってまいります。
治療や予防を通して、患者さんのQOL(生活の質)向上のお役に立てると幸いです。