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1988年福島県立磐城高等学校 卒業
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1996年東北大学歯学部 卒業
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2003年いがり歯科医院開業
- 日本歯周病学会認定 歯周病専門医
- 日本口腔インプラント学会認定 口腔インプラント専門医
- 日本臨床歯周病学会 認定医
- 日本臨床歯周病学会 歯周インプラント認定医
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本デジタル矯正歯科学会
- 日本アライナー矯正歯科研究会
- 臨床歯科を語る会
- 日本禁煙学会 認定指導医
院長ブログ
虫歯で抜歯した後のインプラント治療の注意点を解説
インプラントは虫歯にならない?
インプラントが虫歯になるリスクは「ゼロ」です
虫歯で抜歯をした人にとって、最も怖いのは虫歯の再発ですよね。高いお金をかけてインプラントを装着しても、それが虫歯になってしまったら元も子もありません。外科手術までして手に入れた人工歯根+人工歯を失うことになるのなら、はじめから安価な入れ歯にしておいた方が良さそうなものです。ただ、どんなに歯磨きが下手な人でも、インプラントが虫歯になることはありませんので、その点はご安心ください。インプラントに伴う虫歯リスクはゼロと断言できます。
インプラントが虫歯にならない理由は?
虫歯は、エナメル質や象牙質が細菌に溶かされていく病気です。当然ですが、歯科治療で装着したレジン歯や銀歯が虫歯菌に溶かされることはありませんよね。ただし、詰め物・被せ物治療は、必ず天然の歯質が残っているため、虫歯の再発リスクは存在します。一方、歯の頭の部分である「歯冠(しかん)」から根っこの部分である「歯根(しこん)」まで、すべてが人工物で構成されたインプラントは、虫歯菌が作り出す酸で溶かされる部分がありません。そうした理由から、インプラントは虫歯にならないと断言できるのです。
インプラント治療後に気をつけるトラブル
インプラントが虫歯にならないからといって、口腔ケアをいい加減にして良いということにはなりません。お口の衛生状態が悪かったり、インプラントのメインテナンスを怠ったりすると、次に挙げるようなトラブルに見舞われることがあります。
歯周病になる
インプラントが虫歯になるリスクはゼロですが、歯ぐきの病気である歯周病にはかかります。しかも、インプラントは天然の歯よりも歯周病リスクが高くなっているため、治療後の口腔ケアとメインテナンスには十分配慮しましょう。おそらく皆さんも「インプラント周囲炎」という病名を一度は耳にしたことがあるかと思います。インプラント特有の歯周病で、進行が速く、放置しているとあっという間に重症化します。
周りの歯が虫歯になる
上部構造(人工歯)に汚れがたまって細菌が繁殖しても、インプラントが虫歯になることはありません。そこで安心してしまうと周りの歯が虫歯になります。両隣が天然歯の場合は要注意です。
インプラントの故障・脱落
インプラントは、天然歯にそっくりな見た目と構造をしており、自分の歯のように考えてしまうことも多々あります。私たちの歯はとても丈夫なので、多少、無理をしても欠けたり、抜けたりすることはありませんよね。インプラントもそれと同じに考えていると、上部構造のセラミックが欠けたり、連結装置であるアバットメントが外れたりすることがあります。重症例では、顎の骨に埋め込んだ人工歯根が脱落するおそれもあるため、治療後のメインテナンスは欠かさず受けるようにしましょう。
インプラントのケア方法とは
インプラントは、治療後のケアがとても重要になります。不適切なケアを続けていると、上段で説明したトラブルに見舞われやすくなります。そこで以下に挙げるようなケア方法を実践する必要が出てきます。
インプラントを埋め込んだ直後のケアについて
外科手術で人工歯根を埋め込んだ直後は、傷口に触れないようにしてください。傷口を刺激すると、細菌感染が誘発されたり、傷の治りが遅くなったりします。ただし、その他の歯はいつも通りきちんと磨くようにしましょう。やわらかめの歯ブラシを使うことで、傷口を刺激するリスクが低下します。
日々のセルフケアについて
毎日のセルフケアでは、歯ぐきと上部構造の境目をしっかり磨くことが大切です。そこに歯垢や歯石がたまると、インプラント周囲炎のリスクが大きく上昇します。また、隣の歯とのすき間は、デンタルフロスや歯間ブラシといった専用の器具で清掃するようにしてください。
歯科医院でのプロフェッショナルケア
インプラントの状態を正常に維持し続けるためには、プロフェッショナルケアも受けなければなりません。メインテナンスでは、インプラントのクリーニングだけでなく、故障の有無や歯ぐきの異常を調べる検査も受けられます。3~6か月に1回の間隔でプロフェッショナルケアを受けることで、インプラントの寿命も長くなるでしょう。
まとめ
今回は、虫歯で抜歯をした後のインプラント治療について解説しました。虫歯で抜歯を経験されたということは、口腔ケアが不十分であることは間違いありません。その状況を改善せずにインプラントを装着すると、インプラント周囲炎や周りの歯に虫歯が広がってしまうため、十分な注意が必要です。インプラント治療後は適切なセルフケアとプロフェッショナルケアを継続し、お口の中を清潔に維持するよう努めましょう。インプラントに何らかの不具合が生じたら、すぐ主治医に相談することも大切です。
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執筆者情報
院長・理事長・歯科医師
猪狩 寛晶Igari Hiroaki
お口の健康は全身の健康と密接に関わっています。歯科は他の診療科と違い、自然治癒はほぼありません。歯科治療のほとんどが置換医療になるため、予防が何より大切です。当院では、患者さん一人ひとりがお口の健康を取り戻すために必要な問題点を共有し、治療や予防に取り組んでおります。
「歯を残す歯周治療」、「歯を生かす矯正治療」、「失った歯を代替するインプラント」を3本の柱として、過不足のない包括的な歯科治療を行ってまいります。
治療や予防を通して、患者さんのQOL(生活の質)向上のお役に立てると幸いです。