-
1988年福島県立磐城高等学校 卒業
-
1996年東北大学歯学部 卒業
-
2003年いがり歯科医院開業
- 日本歯周病学会認定 歯周病専門医
- 日本口腔インプラント学会認定 口腔インプラント専門医
- 日本臨床歯周病学会 認定医
- 日本臨床歯周病学会 歯周インプラント認定医
- 日本顎咬合学会 認定医
- 日本顕微鏡歯科学会
- 日本デジタル矯正歯科学会
- 日本アライナー矯正歯科研究会
- 臨床歯科を語る会
- 日本禁煙学会 認定指導医
院長ブログ
インプラントに年齢制限はある?未成年や高齢者は受けられる?
インプラント治療は何歳から受けられるの?
未成年はインプラントの対象外?
一般的にインプラント治療は、成人した方が対象となります。法律などで厳密な年齢制限が設けられているわけではないのですが、ほとんどの歯科医院は未成年にインプラント治療を実施していません。それは未成年の体が発育途上にあるからです。ただし、特別な理由がある場合は、未成年であってもインプラント治療を行う場合があります。具体的には、交通事故や先天的な病気で歯の欠損が多かったりするケースは、インプラントで噛む機能を回復させなければならないこともあります。そうした例外も含めると、インプラントには年齢制限がないといえるでしょう。
未成年のインプラント治療について
未成年にインプラントが適応されない理由
上段でも述べた通り、未成年の体は発育が進んでいる状態なので、インプラント治療を行うことは原則的にありません。例えば、6歳でインプラントを埋め込んだとしましょう。6歳は永久歯と乳歯が混在する混合歯列期の始まりであり、これから歯並びやかみ合わせ、顎の骨の形などが大きく変化していきます。そんな中で顎の骨へしっかり固定する人工歯根が埋め込まれたらどうなるでしょうか?
正直、邪魔でしかないですよね。これから数年かけて永久歯が生えそろい、顎の骨の形も変わっていく環境で、決して変わらないチタン製のネジが存在していたら、驚くほど多くの支障をきたすことでしょう。そうした理由から、発育期にある未成年にはインプラント治療を適応することはないのです。
高齢者のインプラント治療について
ここまでは、年齢が低い方のインプラント治療について解説してきましたが、逆のパターンも気になるところです。従来法の入れ歯であれば、外科手術が不要であり、着脱式でいつでも調整・修理が可能なので、何歳になっても治療を受けられます。一方、インプラント治療には外科手術が必須となっています。歯ぐきをメスで切開し、顎の骨にチタン製のネジを埋め込む外科処置は、大きなケガや病気を治すために行う手術ほど大掛かりではありませんが、高齢の方からすると、不安に感じる部分が大きいことかと思います。
高齢の方もインプラント治療は受けられます
結論からいうと、インプラント治療に年齢的な上限はありません。実際、高齢の方でもインプラント治療を受けている方はたくさんいらっしゃいますし、年齢が高いからという理由でインプラントが適応外となることはまずありません。ただ、70歳を過ぎると、いろいろな理由でインプラント治療が難しくなる場合が多いことも事実です。
70歳を過ぎるとどうなる?
70歳を過ぎると、高血圧症や骨粗しょう症など、さまざまな全身疾患を患っている方が増えてきます。それらは外科手術の際、不利に働くことが多いです。例えば、歯ぐきをメスで切開している時に血圧が急上昇したらとても危険ですよね。また、骨粗しょう症の影響でインプラントが顎骨と正常に結合しないなどのトラブルも起こりやすくなっています。
そういったことが背景にあるため、高齢になるほどインプラント治療の難易度が上がるものとお考えください。もちろん、世間には至って健康な70代の方もたくさんいらっしゃいます。全身状態や顎の骨が健康であれば、70歳を超えていてもインプラント治療を行うことは十分可能であることから、年齢的な観点で初めから諦める必要もないといえます。
インプラントできない場合の治療法
高齢の方で顎の骨や全身状態が悪い場合は、従来法である入れ歯やブリッジが推奨されます。入れ歯やブリッジでは、顎の骨にドリルで穴を開けるといった外科処置は伴いません。特に入れ歯は歯を大きく削る必要もないことから、高齢の方で全身状態が悪い場合でも安心して治療を受けられます。入れ歯も自費診療なら見た目や機能性を追求できますので、インプラント治療を諦めた方でも、希望に沿った仕上がりが期待できるかと思います。
まとめ
今回は、インプラント治療の年齢制限について解説しました。インプラント治療には、国や歯科医師会が定める明確な年齢制限はありません。理論上は何歳でも受けることが可能です。現実的には未成年をインプラント治療の対象外としている歯科医院がほとんどであり、一部の例外を除いては大人になってから受けるものとなっています。
インプラント治療には、年齢的な上限も設けられてはいないのですが、やはり70代、80代になると全身状態が悪くなるため、手術することが難しいケースが増えてきます。そうしたケースでは、本文でもご紹介した通り、ブリッジや入れ歯といった従来法を選択すると良いでしょう。その他、インプラント治療について詳しく知りたいことがあれば、いつでも当院までご相談ください。
当院の詳しいインプラント治療に関してはこちらをご覧ください。
執筆者情報
院長・理事長・歯科医師
猪狩 寛晶Igari Hiroaki
お口の健康は全身の健康と密接に関わっています。歯科は他の診療科と違い、自然治癒はほぼありません。歯科治療のほとんどが置換医療になるため、予防が何より大切です。当院では、患者さん一人ひとりがお口の健康を取り戻すために必要な問題点を共有し、治療や予防に取り組んでおります。
「歯を残す歯周治療」、「歯を生かす矯正治療」、「失った歯を代替するインプラント」を3本の柱として、過不足のない包括的な歯科治療を行ってまいります。
治療や予防を通して、患者さんのQOL(生活の質)向上のお役に立てると幸いです。